お金は、巡るもの 〜浪費と還元〜

お金は使えば減るものだと思っていた。

何かを買うたびに、

「またお金が減った。」

そんな気持ちになっていた。

だから、できるだけ節約した。

安いものを探して、本当に必要か何度も考えて、なるべく買わないようにする。

それが、お金を大切にすることだと思っていた。

最近、その考え方が少しずつ変わってきた。

お気に入りの花瓶を迎えた日。

ストウブで料理を作った日。

手挽きミルでコーヒーを淹れた朝。

どれも、お金を使った出来事だった。

初めは、「お金、使いすぎかな」と不安になった。

でも、毎日の暮らしが変わった。

花を飾るようになった。

料理をする時間が好きになった。

コーヒーを淹れる朝が、一日の楽しみになった。

そのとき気づいた。

お金はなくなったわけじゃない。

暮らしの豊かさという形になって、毎日少しずつ返ってきていた。

お金は、減るものじゃない。

巡るものなんだ、と。

お金の使い方には「浪費」と「還元」がある。

衝動で買って、すぐ使わなくなるもの。

なんとなくで選んだもの。

そういうお金は、私にとって浪費だった。

でも、

心から好きだと思えたもの。

長く大切にしたいと思えたもの。

誰かが丁寧に作ったものへの対価。

そういうお金は、還元なんじゃないかと思うようになった。

作り手の想いへ還元し、

その人の仕事が続いていくことへ還元し、

そして、その豊かさは私の暮らしにも還ってくる。

一輪の花になって。

お気に入りの器になって。

コーヒーの香りになって。

心地よい時間になって。

あの日使ったお金は、何度も何度も小さな幸せになって返ってきている。

だから最近は、

「安いか、高いか。」

ではなく、

「これは心を豊かにするだろうか。」

そんな問いで選ぶようになった。

もちろん、何でも買えばいいわけじゃない。

本当に心が動いたものだけを迎える。

そうすると、不思議なくらい満足感が長く続く。

毎日目にするたびに、

「この子を迎えてよかった。」

そう思える。

今の私にとって、お金とは、

ただ数字が増えたり減ったりするものじゃない。

人から人へ。

作り手から使い手へ。

そして、暮らしから心へ。

価値を運びながら、静かに巡っていくもの。

だから今日も、お金を使うときは問いかけたい。

「これは心を豊かにするだろうか。」

その答えが「Yes」だったら、

きっとそれは浪費ではなく、

未来の暮らしへ植える、小さな幸せの種なんだと思う。

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